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田原臨海緑地とは

私達の童浦校区をぐるりと取り囲むように広がる緑の帯、これが田原臨海緑地帯です。
この緑地帯のほとんどは、昭和40年代初めから始まった、臨海工業地帯造成に併せ、先人達が地域を守る知恵として残してくれた白砂青松の防潮防風林に代わるものとして、また住宅地域と臨海工業地帯の緩衝帯として造成された人工林です。
その総面積はおよそ40ヘクタールと広大なものです。
植えられている樹木も、松をはじめ数十種類の常緑広葉樹を主体に形成されています。
初夏の萌え出る若葉や、蝉しぐれの盛夏には、樹間を吹き抜ける涼風が心地良く森林浴気分を満喫できるなど、四季折々の美しい景観を見せ、身近に豊かな自然を感じることのできる樹林になっています。


↑地図をクリックすると拡大表示されます。

平成19年4月、愛知県から田原市へ移管されたことを契機に、地元の童浦校区コミュニティ協議会が「緑地管理事業」を開始し、田原市から指定管理者として指定を受け、その管理を委託されています。
私たちは、この臨海緑地帯をかけがえのない貴重な郷土の資源として愛着をもって守り育てるための維持管理作業を行っています。

臨海緑地に関するご意見・お問い合わせは下記までお願いします。
童浦市民館 緑地管理事業管理者
 〒441-3403 田原市浦町原屋敷78-2
 電話:0531-23-0660
 Email:douho-hotcom@tees.jp


  

臨海緑地帯の春

田原臨海緑地帯は、防風・防潮・防塵など大切な役割を果たすための機能林ですが、身近で緑豊かな自然としても、素晴らしい景観や四季折々に樹木や自生植物が見せてくれる営みには感動をおぼえるものがたくさんあります。
管理業務の中で出会った、景観や植物のさまざまな営みをご紹介します。



早春から初夏にかけては、臨海緑地が最も活気に満ち、華やぐ季節です。
花木は少ないですが、早春から咲き続ける、ツバキとサザンカは緑地の中では華やいだ色彩を華っています。
風の冷たい早春には、黄色い花がたくさん見受けられます。
臨海緑地の管理上、雑草として刈り取ってしまいますが、タンポポやオオジシバリなど、日当たりの良い場所では地熱を吸取るように地面に張付き群生して、黄色いじゅうたんを敷き詰めたように咲き誇っています。




春の花といえばやはり桜です。
臨海緑地帯には、多くの桜が植えられていますが、ほとんどがオオシマザクラです。ソメイヨシノより一足早く開花します。
ソメイヨシノは、臨海緑地沿いの緑が浜公園から北に向かって流れる河沿い両岸約1kmに渡って続く桜並木は、新しい桜の名所と言えるでしょう。



平成20年に光崎東公園の東側へ新しく植えたハナミズキとツツジです。
昨年は、台風18号の強風で花芽が大きなダメージを受けましたが、今年は紅白の花が咲き揃うことを期待しています。
5月下旬頃には、西浦地区地先の新日化カーボンからフタバ産業までの沿道は、サツキが色とりどりに咲き競っています。



晩春から初夏になると、木々は新緑に彩られます。カシやシイなどは、梢の色が白く変わるほどたわわな花を付け、沿道を歩くだけでもむせかえるような、甘い香りを放ちます。
また、その他の常緑樹も地味で目立ちにくいですが、この時期に旺盛に花をつけます。


晩春から初夏には、西浦保安林では松が長いロウソクのような新芽を伸ばし、根元の草地には昔のなごりの浜大根の花が薄紫に咲き揃います。  

臨海緑地帯の夏


初夏になると臨海緑地は一斉に緑を濃くし、したたる緑の小路があちこちに現れます。



盛夏を迎え、臨海緑地では樹木も草も緑を一段と濃くし、青い海と空の織り成す景観は雄大です。
草刈り作業に追われる毎日です。
この季節に緑が浜2号エコ公園附近から見る、白い風車は一見の価値があります。



初夏から夏の終わりまで、臨海緑地では、次々と季節の蝉の鳴き声が賑やかに聞こえます。
真夏のクマゼミは、押しつぶされるような大音響で短い命を謳歌します。立秋ころからはツクツクボウシの淋しげな音色が松林に沁み渡り夏の終わりを教えてくれます。
  

臨海緑地帯の秋


秋を迎えると太陽の位置が低くなり、高木の多い臨海緑地帯では、斜めから射し込むやわらかな光の帯が秋の風情をつくります。
やわらかな木漏れ日の中をゆっくり散策してみたいですね。



秋から初冬にかけて、臨海緑地には、たくさんの渡り鳥がきます。
この季節、広葉樹林を歩いていると、ムクドリやヒヨドリが梢に寄生する虫と一緒についばんで落とした、青い枝つきのドングリが数多く見られます。



晩秋から初冬には、落葉樹が色付き黄色・赤と緑の鮮やかなコントラストに目を奪われます。
臨海緑地帯では、常緑樹が主体で、落葉樹はサクラ・ケヤキ・ナンキンハゼなど一部の樹木ですが、この季節には束の間の主役を演じてくれます。



この頃には、早い場所ではサザンカの開花も見られます。  

臨海緑地帯の冬


冬季には三河湾から吹きつける強い季節風が樹林を吹き抜けます。
ひっそりと活動を休止する臨海緑地帯は、防風・防潮林として一番役割を果たす時期です。
風が穏やかな日には、木漏れ日の日溜まりでは温もりを感じます。



サザンカやカンツバキが明るい色どりを見せてくれる季節です。
  

台風18号災害レポート

被害の状況


平成21年10月8日未明に当地を襲った、台風18号は、臨海緑地帯に未曽有の被害を与えました。
夜明けとともに現地を踏査した時に目にしたものは、将棋倒しに薙ぎ倒された巨木と強風にもぎ取られ落下した梢枝の累積した様など一夜にして信じ難い有様でした。
全域にわたる現地調査の結果、倒木は1,812本に及ぶ災害になりました。
被災後発行した、校区広報誌「どうほほっとCom」でも途中経過をお知らせしましたが、その後も、関心を持ってお尋ねいただく方も多数いることから、このページで詳細を報告します。



台風通過直後に発生した、高潮により臨海緑地帯も海水の浸水を受け、流失した松の落ち葉など1m近く窪地に堆積する被害も出ました。




想像を絶する倒木の数もさることながら、更に懸念されることは、梢枝の落下の大きいことでした。
地表を埋め尽くす緑の枝葉と裸同然の樹木が、休眠期を迎え、来春に芽吹き蘇生するのかを考えると、その被害の大きさは測り知れないものでした。


災害復旧工事


被災当日から、被害実態の把握・道路への倒伏木の撤去処理・作業道の確保など緊急措置を直ちに行いました。
田原市担当部署と対応策の協議を重ねるとともに、自主施工による復旧作業を3カ月余り行いました。
倒木の伐採処理と落下した枝葉の回収・集積は、広大な面積であるため多大な時間を費やす作業になりました。





田原市の緊急措置予算、災害復旧費により、1月以降、被害甚大地区を重機を使う外部委託工事により倒木の伐採・搬出集積工事を行いました。
施行方法として、樹幹はすべてチップ業者に引取り処理してもらい、枝葉は臨時集積所へ集め大型チッパにより破砕して、撫育地区の広葉樹林帯へ敷設処理し自然に戻しました。


次の世代へ引き継ぐための植栽事業


倒木の処理は被災以来、約半年かけて終わりましたが樹林帯の中は、おびただしい根株が残り、跳ね上がった根や、大きな穴も残り荒廃した地域が今も残されています。
昨年度から、松苗の植栽を続け樹林の復元に向けて作業を開始しました。
とりあえず植えられる地区から始め、平成21年度に300本、平成22年度には800本を植付けしました。